読書

思い その16

老いたせいでしょうか、過ぎ越してきたことを反省したり、思ったりすることが日々あります。成人した頃から65年程の時間に変化した様々な思想の流れの中で生きてきた自分をながめています。 流れの中に流されていたのにその流れの様相を確かめる能力も余裕…

思い  その14

梯久美子著『この父ありて 娘たちの歳月』は同性として印象深い九人の中のお一人、萩原葉子さんの『蕁麻(いらくさ)の家』(講談社文芸文庫)を読んでみました。 bookclub.kodansha.co.jp あれまで深くご自分を詳細にお書きになったことへの勇気と、真実か…

思い その13

『この父ありて 娘たちの歳月』(梯久美子著 文藝春秋社)を読んで、戦前から戦争を通過した人たちの話と自分の経験を重ね合わせてみたら、今度は今の在り様が気になってきました。 books.bunshun.jp そこで現実的にはどんなだろうとウクライナ侵攻について…

読書について  その22

多くの人が長引くウクライナ侵攻に心痛み心動かされています。私たちにも生活に変化が及んでいるのが感じられます。しかし、何もこれと言って役に立つような行動は取れずにいます。それにあまり政治は好きではないし、いったい自分の中でどう考え暮らしたも…

育ちに偏りがある孫『Tくん』

彼はこの春中学校を卒業します。私は自分の年齢を考慮し彼が中学生になった時、彼等から離れ独り暮らしを始めたのです。 私から見ていると悪げのない幼い自分中心のどうしようもない少年に思えます。ずうっと通常級に在籍し、グレーゾーンの子どもとして育て…

読書仲間 『Iさん』その1

彼女とは平成20年頃公募でしていた読書会で知り合った仲でした。私の感触では 13,4人いた中でとても実直な読みで印象に残っていました。その会を離れてからも私たちは年賀状のやりとりが続いておりました。 彼女は理系で家庭教師などしながら両親を看…

読書について その21

『この父ありて 娘たちの歳月』(梯久美子著 を読みました。どうしてもノンフィクションに引きこまれてしまいます。名作を生んだ9人の女性作家、書かれた方も女性です。 books.bunshun.jp 拙いことかもしれませんが、わたしは性に拘って本を選んでいるわけで…

思い その12

考え方や本の選択は自分なりに、本質を探りたいと密かに切望してきた結果でした。そしてそれは確かに大きな偏りを持った物だったと感じております。私個人の小さい日常からの疑問や苦悩から止む無くチョイスしてきたものです。やっと親としての役割が終わっ…

読書について  その20

『加藤周一を21世紀に引き継ぐために加藤周一生誕百年記念国際シンポジュウム講演録』(三浦信孝・鷲巣力編)を読んでみました。なぜ今かといいますのは2年前に出版されたのですが、図書館で長く借りることができないし高価で求めるのことができなかった…

読書について  その19

『ある特別な患者-医師たちの人生を変えた患者たちの物語』(エレン・デ・フイッサー著、 芝瑞紀訳)を読んで私の心にことに重く残った物語は89の中の3つです。オランダで編集されたものですが中でも考えさせられたからです。 www.sunmark.co.jp 23番…

読書について  その18

遠い方の読書会で、瀬戸内寂聴著『白道』を読みました。高校時代に戻った気持ちになって、『西行物語』の現代語訳、地図帳を開きながら読み進めました。 bookclub.kodansha.co.jp 私は国文学にあまり興味がなかったのですが、歴史の中の平安時代から鎌倉時代…

読書について  その17

久しぶりで漱石の晩年の作品を読んでみました。『道草』『明暗』です。 はじめ「明暗」を読了したのですが、しっくりこないので、『道草』に戻ったのです。 www.shinchosha.co.jp www.shinchosha.co.jp それで、『道草』によって多くの心的謎が少しずつ私の…

思い その11

秋口から、前からなっていた脊髄狭窄症が安定せず少量の薬に頼り、これで何とかやっていけると喜んでいました。しかし、その後寒さがやってきたら高血圧症が酷くなり薬を増やすことになりました。薬が増えることによって体調が整うまで時間がかかるし以前と…

読書について その16

谷川多佳子著『メランコリーの文化史 古代ギリシャから現代精神医学へ』(講談社選書メチエ)を読んでみました。 bookclub.kodansha.co.jp どうも古代や中世は私の能力のせいか馴染めなくて、第2章 ルネサンスと宗教改革 あたりから気を入れることが出来たよ…

読書について その15 

このところ思想的に揺さぶられる本を読んでいます。遠い方の読書会では遠藤周作『沈黙』が課題図書でした。 www.shinchosha.co.jp この本からはずっと大きく奥深く背景にあるあの時代のヨーロッパ諸国の世界征服の野望や異民族統治、それに対する日本の激し…

読書について その14

ここにに引っ越してきて立ち上げた読書会は今年で立ち消えとなりそうです。本を読み会話する人口が減っているのでしょうか。それにしても私の運営のしかたがよくなかっためも大いにあります。結局実質3人になってしまいました。会員の方の勧めで、10月の主…

読書について その13

今から55年ほど前の話ですが、私はかつて結婚する前の20代終わり頃に渡米に誘われたことがありました。 それは知り合いのお姉さんが進駐軍の精神科の軍医と結婚してその家族がアメリカに帰ることになり、日本人女性を雇いたいと探していたからです。男の…

読書について  その12

今、世界中の誰もがソ連のウクライナ侵攻の影響をうけているように感じます。私のように年寄りの一人り暮らしでさえ食品の値上がりで予算を変更したりしています。これまでになく、世界の中でミクロの存在として生きてるって感じます。 でも、あまりに世界史…

読書について  その11

かって美術を学んでいたこともあってヤマザキマリさんにはとても興味があり、昨年出版された『ムスコ物語』(幻冬舎)を読んでみました。 www.gentosha.co.jp 私自身自分の親子関係でとても迷いがありました。両親に対しても、子どもたちに対する親としての…

読書について  その10

考えてみるに課題は人と人との人柄の差異の中で自分がどう生活するかでした。10代半ばから何となく常識的に生きるように仕向けられてきました。しかし一方で、私の視点からは両親を含め身近な人々の生き方は決して前向きとは感じられませんでした。 私は20代…

読書について その9

斉加尚代の『何が記者を殺すのか』(集英社新書)を読んでみました。電子機器による情報の氾濫、その中の暴挙、心穏やかに何が真価を持った物かを選ぶのは難しさを感じます。年寄りが多勢になっていく現在、いったい世論はどのように形作られるか不安さえ感…

読書について その6

何で本を読むのをこんなに続けているか考えてみました。同じ時代を生きる他の方を知りたいって思うのです。自分の家族や周囲が自分から見ても一方的だったり、非常識だったり、それに自分もかなり染まっています。 前記で彩瀬まる著の『不在』(角川書店)に…

4月出席の読書会から

12日に新しくちょっと遠距離の図書館で開かれている読書会に出席させていただきました。 課題の本はイギリス文学の古典「高慢と偏見」ジェイン・オースティンでした。 www.kotensinyaku.jp 主人公、エリザベスに好感が持てて面白かったです。講師による説…

読書について その4 ここ2か月で読んだ本

読書が友達化しています。 小説としては、『長いお別れ』中島京子 2018年 books.bunshun.jp 『我らがパラダイス』林真理子 2020年 www.shueisha.co.jp 『8050』林真理子 2022年 www.shinchosha.co.jp 『だまされ屋さん』星野智幸 2020年 www.chuko.co.jp…

読書について  その2

週1回、3時間で入浴と食事のデイサービス、週2回の通所リハビリを受けられるようになりました。ちょっときびしいですが、リハビリはかなり本格的で体が動くようになり効果的でいいです。このような状態になって介護保険について真剣に学んでみようと思うよ…

読書について  その1

以前からなのですが、何故か女の方が書かれたものに惹かれてしまうのです。その訳を探ろうとすると、どうしてか考えが纏まらなくなってしなうので、探るのを先延ばししています。 そのためか本棚の古い本の中に小谷瑞穂子の『ユダヤ系芸術家たち』があったの…

日記

やっと短時間のリハビリができるようになったのですが、膝を痛めてしまいました。 読書会は再開して喜んでおります。11月は100分de名著のテキスト上野千鶴子著ボーヴォアールの「老い」を取り上げ、12月は「木かげの家の小人たち」いぬいとみこ著をしまし…

思い その5

自分が以前より気力が落ちてきて、危ういなって感じてはいるんですけど、最近ちょっと酷かったのです。過去の出来事が依然に増して思考をぐるぐるして、反省とも自由連想ともつかない纏まりがなくなっています。 対外的にはボーヴォワールの『老い』にあるよ…

読書会 7月22日

このところ老いに関心が集まり、課題図書は『百まで生きる覚悟』(春日キスヨ著 光文社新書)でした。 www.hanmoto.com どなたも直面している問題なのでいつもになく真剣な会話になりました。意志がはっきりしているうちに準備できることはするとして、終末…

6月24日 読書会

今月の読書会は7人の集いで、課題本は『在宅ひとり死のススメ』(上野千鶴子著 文春新書)でした。 books.bunshun.jp 皆さん老後をどのようにしたものか不安が多く、そして心定めにくい状態にあるかを語り合いました。この話題は1回では済まなくなって7月…