読書について  その10

考えてみるに課題は人と人との人柄の差異の中で自分がどう生活するかでした。10代半ばから何となく常識的に生きるように仕向けられてきました。しかし一方で、私の視点からは両親を含め身近な人々の生き方は決して前向きとは感じられませんでした。

私は20代後半、58年ほど前井荻児童研究所で学び、霜田静志先生の精神分析を2年程受けたことがありましたが、上京することを両親に反対されました。

 

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その当時周囲の方に何を学んでいるか説明してもほとんどの人に理解してもらえていなかったのです。ただ心理療法に対する自分の思い入れでのことでした。

その後それは主婦として生きた自分の糧になり、発達に問題のあった娘達のために役立ったと感じております。結婚後も細々と学び続けましたが周囲の人、ことに親族には多分理解されていなかっただろうと思います。

しかし、フロイトやホルネイ、日本人では土井健郎等に、いったん魅せられた者にとっては何かしらの残像が何処かにあるわけです。これまで精神分析に軸足を置いて構造主義をちょっとずつかじってきましたが、自信がもてなかったのです。茶化されたりして、自己肯定感に繋がらずにおりました。

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今回、千葉雅也、「現代思想入門」を読みかなり心落ち着く感がありました。此の入門書は私にとってはとても入門書などとは考えられないような壮大なものでした。

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難しく理解しきれないところもあったのですが、精神分析に対する扱いが納得がいき、感心いたしました。ことに第一章は具体的で解りやすくは私にとっても救いになりました。著者自身の大袈裟ではない精神分析的思考の取り入れ方には驚きさえ感じたのです。

80の手習いではあるのですが、思考が続けられるうちは芋ずる式に参考文献も読んでみたいです。ことに21世紀の部分は難解で初対面の感がありその前を復習してみたいです。今頃になってこうして、自分が興味を感じ引き付けられる本との出会いはとても嬉しいです。