2022-01-01から1年間の記事一覧

読書について  その20

『加藤周一を21世紀に引き継ぐために加藤周一生誕百年記念国際シンポジュウム講演録』(三浦信孝・鷲巣力編)を読んでみました。なぜ今かといいますのは2年前に出版されたのですが、図書館で長く借りることができないし高価で求めるのことができなかった…

読書について  その19

『ある特別な患者-医師たちの人生を変えた患者たちの物語』(エレン・デ・フイッサー著、 芝瑞紀訳)を読んで私の心にことに重く残った物語は89の中の3つです。オランダで編集されたものですが中でも考えさせられたからです。 www.sunmark.co.jp 23番…

読書について  その18

遠い方の読書会で、瀬戸内寂聴著『白道』を読みました。高校時代に戻った気持ちになって、『西行物語』の現代語訳、地図帳を開きながら読み進めました。 bookclub.kodansha.co.jp 私は国文学にあまり興味がなかったのですが、歴史の中の平安時代から鎌倉時代…

読書について  その17

久しぶりで漱石の晩年の作品を読んでみました。『道草』『明暗』です。 はじめ「明暗」を読了したのですが、しっくりこないので、『道草』に戻ったのです。 www.shinchosha.co.jp www.shinchosha.co.jp それで、『道草』によって多くの心的謎が少しずつ私の…

思い その11

秋口から、前からなっていた脊髄狭窄症が安定せず少量の薬に頼り、これで何とかやっていけると喜んでいました。しかし、その後寒さがやってきたら高血圧症が酷くなり薬を増やすことになりました。薬が増えることによって体調が整うまで時間がかかるし以前と…

読書について その16

谷川多佳子著『メランコリーの文化史 古代ギリシャから現代精神医学へ』(講談社選書メチエ)を読んでみました。 bookclub.kodansha.co.jp どうも古代や中世は私の能力のせいか馴染めなくて、第2章 ルネサンスと宗教改革 あたりから気を入れることが出来たよ…

読書について その15 

このところ思想的に揺さぶられる本を読んでいます。遠い方の読書会では遠藤周作『沈黙』が課題図書でした。 www.shinchosha.co.jp この本からはずっと大きく奥深く背景にあるあの時代のヨーロッパ諸国の世界征服の野望や異民族統治、それに対する日本の激し…

思い その 10

難聴についての困りごとです。 一つは中高年者の集まりに行っての会話です。かなり苦心して、大きな声で話し合っていることです。でも一部の方には届かなかったりしているのに出くわします。 私は補聴器を宣伝するわけではないのですが、補聴器を勧めたくな…

読書について その14

ここにに引っ越してきて立ち上げた読書会は今年で立ち消えとなりそうです。本を読み会話する人口が減っているのでしょうか。それにしても私の運営のしかたがよくなかっためも大いにあります。結局実質3人になってしまいました。会員の方の勧めで、10月の主…

読書について その13

今から55年ほど前の話ですが、私はかつて結婚する前の20代終わり頃に渡米に誘われたことがありました。 それは知り合いのお姉さんが進駐軍の精神科の軍医と結婚してその家族がアメリカに帰ることになり、日本人女性を雇いたいと探していたからです。男の…

読書について  その12

今、世界中の誰もがソ連のウクライナ侵攻の影響をうけているように感じます。私のように年寄りの一人り暮らしでさえ食品の値上がりで予算を変更したりしています。これまでになく、世界の中でミクロの存在として生きてるって感じます。 でも、あまりに世界史…

読書について  その11

かって美術を学んでいたこともあってヤマザキマリさんにはとても興味があり、昨年出版された『ムスコ物語』(幻冬舎)を読んでみました。 www.gentosha.co.jp 私自身自分の親子関係でとても迷いがありました。両親に対しても、子どもたちに対する親としての…

読書について  その10

考えてみるに課題は人と人との人柄の差異の中で自分がどう生活するかでした。10代半ばから何となく常識的に生きるように仕向けられてきました。しかし一方で、私の視点からは両親を含め身近な人々の生き方は決して前向きとは感じられませんでした。 私は20代…

読書について その9

斉加尚代の『何が記者を殺すのか』(集英社新書)を読んでみました。電子機器による情報の氾濫、その中の暴挙、心穏やかに何が真価を持った物かを選ぶのは難しさを感じます。年寄りが多勢になっていく現在、いったい世論はどのように形作られるか不安さえ感…

思い その9

最近分かったのですが、自分の書いたものが意外に遠くの方まで読んでおられると知って驚いたことです。それと子供に育ちや興味の持ち方に偏りがあって苦心しておられる方が意外におられることです。私はもう80歳を幾つか超えたのですが、まだこの課題の中で…

思い その8

久しぶりに以前住んでいた我が家に行きました。コロナウイルスのせいもあって気になっていた仏壇の整理がまだだったのです。仏壇の中身は以前コンパクトにして一人住まいに運んできておりました。空の仏壇を専門業者に依頼するために片づけに何度かいったの…

読書について その6

何で本を読むのをこんなに続けているか考えてみました。同じ時代を生きる他の方を知りたいって思うのです。自分の家族や周囲が自分から見ても一方的だったり、非常識だったり、それに自分もかなり染まっています。 前記で彩瀬まる著の『不在』(角川書店)に…

読書について その5

5月の図書館での読書会の課題本は彩瀬まる著書『不在』(角川書店)でした。著者は今年36歳です。 www.kadokawa.co.jp 長い間自分としては小説が身近ではありませんでした。理由はドキュメントや症例に魅かれる感じが強かったからです。『不在』を読んでい…

4月出席の読書会から

12日に新しくちょっと遠距離の図書館で開かれている読書会に出席させていただきました。 課題の本はイギリス文学の古典「高慢と偏見」ジェイン・オースティンでした。 www.kotensinyaku.jp 主人公、エリザベスに好感が持てて面白かったです。講師による説…

読書について その4 ここ2か月で読んだ本

読書が友達化しています。 小説としては、『長いお別れ』中島京子 2018年 books.bunshun.jp 『我らがパラダイス』林真理子 2020年 www.shueisha.co.jp 『8050』林真理子 2022年 www.shinchosha.co.jp 『だまされ屋さん』星野智幸 2020年 www.chuko.co.jp…

思い その7

ここのところ、自分が書いているこんな文章に疑問を感じ、やめてしまっておりました。そんなことを近所に住む子供に話したら呟きでいいんじゃないなんてあっさり言われてしまいました。 私としては自分の失敗や工夫を同時代のかたに愚かさも含めて開示したい…

思い その6

一人で暮らす老人として、ケアを少しずつ受けるようになって感じられることは沢山あります。はやり言葉のようにボーッとしてはいられないところがあります。投げやりや丸投げは自分の後々の失敗や苦しみ、そして後悔につながっていくようです。 今のうちは自…

前記事の続きとして

先日、上野千鶴子氏の講演をリモートですが、伺う機会に恵まれました。弱者、要介護者、認知症、障碍者この4例に安心してなれる社会をとおしゃっておられました。 www.pref.saitama.lg.jp 考える事あまりに多くのこりました。上野さんのように深く理論武装で…

読書について その3

うわー、こんなにも認知症、ことに女性が本音ではうとまれているのね・・。そんな場面に出くわしてます。それは多くが連れ合いが先に旅立つためでしよう。介護が長くなるほどに精神的に苦しんでいますね。周囲は疲弊していますし、関心や熱意が失われていく…

読書について  その2

週1回、3時間で入浴と食事のデイサービス、週2回の通所リハビリを受けられるようになりました。ちょっときびしいですが、リハビリはかなり本格的で体が動くようになり効果的でいいです。このような状態になって介護保険について真剣に学んでみようと思うよ…

読書について  その1

以前からなのですが、何故か女の方が書かれたものに惹かれてしまうのです。その訳を探ろうとすると、どうしてか考えが纏まらなくなってしなうので、探るのを先延ばししています。 そのためか本棚の古い本の中に小谷瑞穂子の『ユダヤ系芸術家たち』があったの…