女性

思い その16

老いたせいでしょうか、過ぎ越してきたことを反省したり、思ったりすることが日々あります。成人した頃から65年程の時間に変化した様々な思想の流れの中で生きてきた自分をながめています。 流れの中に流されていたのにその流れの様相を確かめる能力も余裕…

思い その15

考えてもいなかったようなことが年とともに起こります。私はナッツ類や煎餅など乾きものをおやつに食べるのですが、それによって前歯を痛めて根本からぽっきり折ってしまったのです。痛んで後始末が大変でした。 歯の質まで変化していることを考えに入れず、…

思い  その14

梯久美子著『この父ありて 娘たちの歳月』は同性として印象深い九人の中のお一人、萩原葉子さんの『蕁麻(いらくさ)の家』(講談社文芸文庫)を読んでみました。 bookclub.kodansha.co.jp あれまで深くご自分を詳細にお書きになったことへの勇気と、真実か…

読書について その21

『この父ありて 娘たちの歳月』(梯久美子著 を読みました。どうしてもノンフィクションに引きこまれてしまいます。名作を生んだ9人の女性作家、書かれた方も女性です。 books.bunshun.jp 拙いことかもしれませんが、わたしは性に拘って本を選んでいるわけで…

読書について その13

今から55年ほど前の話ですが、私はかつて結婚する前の20代終わり頃に渡米に誘われたことがありました。 それは知り合いのお姉さんが進駐軍の精神科の軍医と結婚してその家族がアメリカに帰ることになり、日本人女性を雇いたいと探していたからです。男の…

読書について その6

何で本を読むのをこんなに続けているか考えてみました。同じ時代を生きる他の方を知りたいって思うのです。自分の家族や周囲が自分から見ても一方的だったり、非常識だったり、それに自分もかなり染まっています。 前記で彩瀬まる著の『不在』(角川書店)に…

思い その7

ここのところ、自分が書いているこんな文章に疑問を感じ、やめてしまっておりました。そんなことを近所に住む子供に話したら呟きでいいんじゃないなんてあっさり言われてしまいました。 私としては自分の失敗や工夫を同時代のかたに愚かさも含めて開示したい…

前記事の続きとして

先日、上野千鶴子氏の講演をリモートですが、伺う機会に恵まれました。弱者、要介護者、認知症、障碍者この4例に安心してなれる社会をとおしゃっておられました。 www.pref.saitama.lg.jp 考える事あまりに多くのこりました。上野さんのように深く理論武装で…

読書について その3

うわー、こんなにも認知症、ことに女性が本音ではうとまれているのね・・。そんな場面に出くわしてます。それは多くが連れ合いが先に旅立つためでしよう。介護が長くなるほどに精神的に苦しんでいますね。周囲は疲弊していますし、関心や熱意が失われていく…

読書について  その1

以前からなのですが、何故か女の方が書かれたものに惹かれてしまうのです。その訳を探ろうとすると、どうしてか考えが纏まらなくなってしなうので、探るのを先延ばししています。 そのためか本棚の古い本の中に小谷瑞穂子の『ユダヤ系芸術家たち』があったの…

老いについて その2

ここしばらく書く元気が出なかったので久しぶりの更新です。人手を煩わさず満足のいく生活を営むのには自分が動くしかありませんから、活気を取り戻したいです。 1人暮らしは本心で話す機会があまりないため、交流が少なく人間らしい「間」が作れないのが悩…

思い その5

自分が以前より気力が落ちてきて、危ういなって感じてはいるんですけど、最近ちょっと酷かったのです。過去の出来事が依然に増して思考をぐるぐるして、反省とも自由連想ともつかない纏まりがなくなっています。 対外的にはボーヴォワールの『老い』にあるよ…

6月27日放送 日曜美術館「三島喜美代 命がけで遊ぶ」を見て

www.nhk.jp おお、この現代アートの作家、88歳ですって。私より年がいっている。でも、なんでこんなに生命力に溢れ活動しているのだろうと映像に引き込まれてしまいました。 創造力、活力、並ではない。あくまでご自分の感性に突き動かされての行為でしょ…

6月24日 読書会

今月の読書会は7人の集いで、課題本は『在宅ひとり死のススメ』(上野千鶴子著 文春新書)でした。 books.bunshun.jp 皆さん老後をどのようにしたものか不安が多く、そして心定めにくい状態にあるかを語り合いました。この話題は1回では済まなくなって7月…

老い支度 その1

年老いた私として今後の準備は沢山あるけど、何人か看取った経験から言えることは、生活面で初めに来るのは排せつの問題でしょうか。なので、下半身の衣服の準備ですね。それも老いの階段によって変化していきます。 今は夏の時期なので手持ちの夏向きズボン…

独り暮らし1年目を終わるにあたり

振り返って考えてみると、この一年くらいは人生の中でかつてなかったほど、テレビのドキュメンタリー番組をじっくり見たり、ノンフィクションの著書を読む機会を持ちました。今までは多忙で時間を取っていなかったですし、コロナウイルスの影響ももちろんあ…

最近読んだ本

今の住まいは大きな図書館が近くて有り難いです。 以前から交流のあった友人に倣って、この1か月ほど戦前戦後に話題になった女性の伝記小説を読んでいました。著者は瀬戸内寂聴、全集5巻です。 www.iwanami.co.jp www.iwanami.co.jp www.iwanami.co.jp www.…

読書会 その3

15日やっと小さな読書会をしました。課題は茨木のり子「寄りかからず」です。 www.chikumashobo.co.jp 様々な話題に発展し、始終賑やかでした。前から教科書などでお馴染みではあったのですが、著者の筋の通し方、表現の仕方に感じ入りました。これまであ…

老いについて その2

今一番老いを感じるのは何か大切なことを運ぶとき軽んじられるときです。確かに意思も弱ってきているし判断も偏りやすいです。難しい事です。老人の位置は微妙です。 不登校ついての本で雨宮処凛が言っていたように「あなたを大切にしてくれない場所にいては…

老いについて その1

老いを意識するのは難しいです。手足が痛むのであれこれ調べているうちに自分が痛風に罹っていることが分かりました。 薬嫌いなのに目薬、骨のためや、血圧、尿酸を下げる薬…とだんだん薬が増えてしまいました。そして、入れ歯も作り変える必要に迫られ、通…

読書会 その2 -『愛と暴力の戦後とその後』(赤坂真理著 講談社現代新書)を読んで-

12月の課題本は盛り沢山の内容でした。 bookclub.kodansha.co.jp 日本の教育制度について、そして近現代史がどの様にカリキュラムのなかで扱われているか、憲法制度などなど。歴史や政治の裏側について学び、深めること、決意しておくことがたくさんありまし…

赤坂真理著『愛と性と存在のはなし』 (NHK出版新書640)を読んで

www.nhk-book.co.jp 81歳になった私が読んでも心波立ちました。心の揺れが鎮まるのを待って、書き始めました。2日ほどの時間の中で自分の感性を探めました。そしてたぶん死に至るまで、個人として自分であることの感じ取りは、何らかの形で残るように意識さ…

思い その1

このところ人それぞれを考えています。自分では権威的であることを嫌っていたように思っていたのですが、意外にそうではなかったと分かったことです。だいたい、受けた教育が健康的、生産的でなければいけない、そうでなければ罪悪だ、みたいな価値観だった…

強く思うこと その5

最近は会話する機会、時間も限られてしまって以前よりかなり減っています。 年齢のせいもあってか、話し言葉の流れが滑らかにいきません。 脳のメモリ不足のためもあるのか、「あ、これは大事だからいっておきたい」と思っても取りこぼすことがあります。大…

読書会  その2

課題『大分断』(エマニュエル・トッド PHP新書) 5人の会でした。 www.php.co.jp 一人の一人の話す時間が取れてよかったのですが、おひとりが課題本を読んでいなかったので進行がちょっと乱れたように感じました。会が重なれば空気も変わっていくことを期…

読書会を提案して その1

6月半ばに引っ越して一人暮らしを始め、会話する相手がなく閉口しました。図書館で以前のように読書会を始めようと相談しましたが、新型コロナウイルスの影響もあり無理でした。 とにかくなにか馴染める場所が作りたくて映画を見る会とかに参加してみました…

高齢者について その3

何事も体験してみないと考えが及ばない方なので、デイサービスに参加してみました。歳が行ってから何かを始めるのは大変だと改めて感じたことでした。入浴するのはまだ自分で段差があまりなければ問題ないのですが、レクリエーションがなじめるかどうかです…

『ADHDの正体ーその診断は正しいのか』岡田貴司著(新潮社)を読んで

192ページ時以降も含めて私にとって本当に頷けることの多い本でした。 育児や子育てを子どもに重きをおいて手をかけて大切にし信頼関係を築くこと、この問題は今の日本では大変実行が困難になってきていると感じます。 私自身が進んで子育てをしようとしたの…

「安心感のケア」とはなんだろう その1

この問題はずっと私に付きまとい生活と共にありました。この問題を専門にして来た訳ではないのですが、実際問題として常に考える必要に迫られておりました。 いま発達に偏りがあって援助を必要としているひとびとの問題として資質と育て方のどちらを問題にす…

強く思うこと その4

梅永雄二氏のライフスキルトレーニングの本を読んで考え返してみたのですが、結局今の日本でのライフスキルトレーニングとは家族の中でしかできなことを、家族の力でトレーニングをすることになってしまっています。親の覚悟の上に成り立つことです。悩んで…