赤坂真理著『愛と性と存在のはなし』 (NHK出版新書640)を読んで

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81歳になった私が読んでも心波立ちました。心の揺れが鎮まるのを待って、書き始めました。2日ほどの時間の中で自分の感性を探めました。そしてたぶん死に至るまで、個人として自分であることの感じ取りは、何らかの形で残るように意識されました。著者の自己を開き表現してくださったことへの、すごい力を考えておりました。

個としてあることの感覚、パートナーでいるありかた、それを確かめる行為、鋭さ、囚われの超え方が現わされておりました。なにより性への忌憚のない、あたたかみのある、表現にすがすがしさを覚えました。しかし覚悟もいるなという思いが私の中に残りました。それから、お母さまとのおわかれのあとで表にされたことの意味を考えていました。私としてはある種の囚われの解放になるものでした。

しかし、一方では私個人としての、娘としてあったこと、ずっと母としてあったこと、今でも母という存在でいることから何を繋いでいるのかを、懸命に見極めることの難しさを感じております。