朝の散歩を怠けたらお終いだと自分を励ましながら、4,50分やっと何とかしてます。図書館にリクエストしていた小説が3冊一気に手元へやってきました。直接の関係では無いのですが、コーヒー好きの私はブラジルの作者のものをと思って読んでみました。最近翻訳出版された『太陽に撃ち抜かれて』(ジョヴァーニ・マルチンス著 福嶋伸洋訳 河出書房新社)です。
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読み進むごとに落ち着かない表現と内容にかなりの距離感がありました。それに対して何とかして分かろうと読み切りました。この短編集は若者が幼少期から自立する時期の周囲の出来事やそれにまつわる人々の関係を口語体風に描かれたものです。
作者はリオデジャネイロの貧困層の住む丘で育ち、リオの市街内部を移動して様々な仕事をし広い見知を持った人のようです。かなりの貧困のなかににあり、拳銃や麻薬が横行しているような日常がありました。想像して、不健全で恐ろしいことです。
現在でも1970年代の軍事政権下の厳しさや、治安の悪さが残っているようです。作者は1991年生まれで、この作品はデビュー作で後に彼にしかなし得ない表現手段を獲得したことによって、長編小説もものにし一つの時代を描いているようです。翻訳されたら読んでみたいです。この短編の「訳者あとがき」でリオの丘ファヴェーラは単なるブラジル社会の恥部や問題の一つの結果ではなく、歴史が複雑に織りなしてきた多様な問題の産物であるとしています。
またこのあとがきには短編、一編一編の丁重な解説があり、訳者の読者へのメッセージとして読み取りました。いっそう自分が時代を共にしている地球の向こう側に、様々に生存している人々の居ることを思い知らされました。
それにブラジルの同時代の上層社会の事ですが、2024年に公開された映画『アイム・スティル・ヒア』を思い出しています。映画については確か「ブログ思い87」に書きました。70年代から最近までの一家族に起こった複雑な時代背景を含めた映像でした。
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映画のモデルになった実在した家族、短編の著者マルチンス、老いた小さな自分、今それぞれ異なった「生」を生きているんだなという思いです。