読書について  その22

多くの人が長引くウクライナ侵攻に心痛み心動かされています。私たちにも生活に変化が及んでいるのが感じられます。しかし、何もこれと言って役に立つような行動は取れずにいます。それにあまり政治は好きではないし、いったい自分の中でどう考え暮らしたものか迷っていました。

100分de名著NHKテキスト1月号ジーン・シャープ『独裁体制から民主主義へ』(中見真理著 NHK出版)を読んでみました。

www.nhk.jp

このテキストは娘が放送開始に合わせて用意してくれたのですが、ちょっと題名を見ただけで抵抗があるためかそのままだったのです。

どんなものか覗いているうちに引きこまれた訳です。はっきり戦闘によっては何もポジティブな結果は生まれてこないとはっきり意識できました。ガンディーの思想や行動が下敷きにあることも知ったのです。

そしてその方法によって成功した国々が解ったのです。この中にあるように私も軍事を腫物のように忌避してきました。その結果、国際法の基礎の知識もないことになっていたのです。無自覚の危険を知ったのです。

2冊目は好き嫌いに関係なく現状が知りたいと昨年9月に出版された『非戦の安全保障論-ウクライナ戦争以後の日本の戦略』(柳澤恊二 伊勢崎賢治 加藤朗 林吉永著 集英社新書)を読んでみました。

www.shueisha.co.jp

この戦争によって国際政治がすべてご破算にされたと言ってもいい状態になったことがわかりました。国連の力がことに削がれてしまったことに恐怖を感じました。それにしても自分が国際法をあまりに知らなかったし秩序立てて考えたことがなかったのです。ハンナ・アーレントの著書など少しはかじっていたのに何と言うことだろうと思いました。

そもそもジュネーブ条約でさえ詳しくなかったのです。ことに様々な現場で過ごされた伊勢崎氏の意見は迫るものや残るものが多くありました。日本の地政学における立場や、自分が触れないできた自衛隊の在り様を現実的に考える糸口にもなりました。

難しい事ですが、もう少し公正、公平にそして鋭く世界観を持ちたいです。