老年期女性の心的世界 -「枯れない心」に寄り添う-(西尾ゆう子著、誠信書房)

 

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ここしばらく専門書をじっくり読むことが少なかったので、幾人かのケースを読むことができ、心理療法が生きた形で健在であることを改めて感じることができました。

 

介護と心理療法は全く別物とは思われるのですが、私も症例にあったように徐々にケアする側からされる側に役回りを変える時期です。しかし、どう対処していいものか、もたもたしていて、心構えとして整理しきれないものがあります。弱い立場の人になってみれば受け身で妥協してしまった結果、受けているケアに満足できないのも寂しいです。

 

このところはケアしていただく側として譲れないことがらをどの様にケアしてくださる方に伝えるかが課題です。ケアを受ける身になって初めてはっきり感じることは援助してくださる方のお一人お一人の対応が異なることです。始まったばかりですので、これからこの個々の間にできる温度差のようなものを楽しめるようにしたいものです。

 

本題に戻りますが、本を通して難しいテストの分析や理解はできませんが、しかるべき方との本質的な振り返っての語りが如何に大切か132ページ~139ぺージでよく了解できました。私のような学びの浅い者にも大変参考になりました。専門家向きではあっても納得がいく部分を心に残させていただきました。

 

こうした老年期女性を対象とした研究が少ない中で貴重な出会いと感じられました。事に女性の研究者でなされたのに興味深い思いがありました。