『父と娘の認知症日記』長谷川和夫・南高まり著を読んで

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ご存じの通り、認知症研究者ご本人が認知症になられた記録なのですが、あまりに高名な方なので、どのような経過を辿られているか関心がありました。

恵まれたお立場にいらしゃることもあってのことなのでしょうが、読んでいてほのぼのとした心持ちになりました。暖かい家族の結びつきから生まれるチームプレーは見事なものです。長い間かかってつくられたものです。そして、長谷川先生の場合は読書の楽しみと、意味のある生活への意欲が残されていて全くこれにも感激しました。

誰でもが長生きすれば脳の衰えにみまわれることになるでしょう。簡単に衰えとはいえないかもしれませんが。私などすぐそこです。暗くならず、少しでも一人前の人間として生きていけるように願うしかありません。どうしたらそのように実現できるか、するか、私も考え、娘にも助けてもらうしかありません。娘にはどうしても負担がかかります。

今、介護を受ける当事者になりつつあり、渦中にあって、現在の日本の現状を肌身で感じる者として困難さを感じています。周囲の知人の中には家族とのコミニケーションがうまくいかず互いに苦心している方は意外に多くおられます。

私も含めてなのですが、本音を出し合って調整する訓練とスキルが年齢と共に必要なのに、おとろえてしまう気がします。そして互いの不満から不機嫌の循環に落ち込んでいってしまうようなです。これは私にも当てはまり要注意です。介護も、難しい子育ても日常の一部としてバランスよく堂々として在ることが、認められることを願うばかりです。

娘のまりさんの先生への思いやりにも感じ入って、エールをおくりたいです。