思い 44

わたしは娘夫婦の住まいのすぐ近所のサービス付高齢者向け住宅に4年前に引っ越しました。娘達に子供はいないので、毎週土曜の夜、自分の部屋で食事を共にして同じ本を読んだりお喋りして過ごして、やっと娘婿を理解しかけた思いがしています。自分が気兼ねなく「貴方のこと書いてもいいかしら」と会話し許しを得たので、近い距離になったと確信しました。これまで彼と時を共にし、彼が自分とは性格的には反対の生活感をもっていることをこのごろ具体的に知ったのです。これは娘がつなぎ役になったり説明役をしてくれた結果でもあります。彼の行動や人間関係を想像していただけで、度の様か深くは知りませんでした。娘のパートナーでなければお互い、出会うこともなっかったし親しくなるような間ではなかったでしょう。
ジャッジするようでためらわれるのですが、彼は楽天的でマイペースでくよくよしないようです。自分といえばはこれまで勿論楽しいこともありましたが、かなりの苦心を重ねた事柄の幾つもの中で過ごしてきました。そのためか、様々に先を読む癖がついてしまいました。また偏った性格から多くの対人関係の失敗がありました。そして用心しなければとの思いから、問題が起りそうなときは中身を執拗に吟味する癖になり、失敗すると引きずってしまいます。あと困ったことに面倒を避けて妥協をしてしまうことです。
彼の場合は30歳過ぎて定型発達ではないと診断されましたが、その後も本来の無邪気さと正義感でこの30年間を生きてきたようです。娘は連れ合いの人柄に振り回されて、苦心し続けてているようです。また彼女の方も私に似て人との関係性を考慮維持するのに頑固でその上簡単に妥協しません。そんなこんなで何とか二人の生活は回っているようです。それにしても彼は気配りは上手では無いのですが、ピアぶりはかなりのもので彼も思惟を深く持ってます。でも会話として表現することが苦手でとても時間がかかりますね。私はつい待ちきれず、遮ったりして娘に「待ってやってね」と注意されます。娘が仕事で留守の時いざとなったら頼る人ですので慣れて共生したいのです。今のところは私が多くを察して交流しているようなのですがどうでしょうか。
私がもっともっと弱ってしまい、この先ケアされる身になった時にどのように第2の援助者になってもらえるか楽しみです。娘との間も工夫したいです。でもどのように考えてもいざとなったら、お世話になるので自分から親しんで、私の好みなど知ってもらいたいなって願っています。