思い 29

いま、パンデミック現象やロシアによるウクライナ侵攻、そしてイスラエルで起こっている事柄からの影響を感じないではいられないです。私自身、世界史を学び直さなければと思ったり、いったい今の時点で何を思考能力として持てばよいのか迷っておりました。そして第二次世界大戦の勃発とその後を知りたいと思いました。

第二次世界大戦大戦がナチスソ連ポーランド侵攻によって始められましたが、今日のウクライナ侵攻を思われます。その時期のヨーロッパを知るのにアンジェイ・ワイダ監督の映画がぴったりだったようなのです。でも私は上映時期にはとても余裕のない生活で観ることが叶わなかったのです。

それで昨年出された『カテインの森のヤニナー独ソ戦の闇に消えた女性飛行士』(小林文乃著 河出書房新社)を読んでみました。

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これによって大戦中と東西に引き裂かれた大戦後のヨーロッパの様子が少し見えてきました。ヒトラースターリンによって犠牲になったユダヤ人とポーランド人の数を知り、ポーランド人の多さに驚いたのです。それで自分はポーランドが置かれている地理的条件、国柄を解っていなかったことにきづきました。ロシアつまり東側のありかたについても大戦後、どの程度の変化があったのか考えさせられました。

小林文乃氏の現地でのインタビューに続く解説は東側を知る日本人女性でなければ表せない部分もあって引き込まれました。自分はヨーロッパ大陸での戦火に塗れ、東西の思想に引き裂かれ圧迫されている国で生きなければならなかった人々、それにまだまだその渦中にある人々を思い知ることは難しいと思いました。ヨーロッパ大陸における入り込んだ民族感情を理解するのは日本人である自分には、果たせないことです。

この著作を読むことでロシアを見直すのに優しく道びいてもらった気がします。ヤニナのような女性が実在していたことを知り得たことも大きな学びでした。