思い 36 

最近、わたしは時間を経るごとにできないこと増えています。従って老人を書いた出版物に目が向いてしまうわけです。母や夫の弟を見送ったこともあって、自分も含めて老害を少なく生きたい、自分らしく生き切りたいそんな欲張りな思いを持っているのです。
今週後半は『母がゼロになるまで 介護ではなく手助けをした2年間のはなし』(リー・アンダーツ著 河出書房新社)を読んでみました。

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リーさんは相当にお母さんから迷惑を被ったようですが、私も自分の母親に少なからず影響を受けましたし、理解するのに戸惑い苦しみました。しまいには骨折して動けなくなって安堵したのを思い出しました。

リーさんのお母さんも自分の母と似通った方であったことがわかり、同じようなことが起こっているのだなって思いました。こんなにも偏った感性をもって常識から離れて生きる生き方は変えるのは困難だとつくづく思ったことでした。私自身は母の行為が余りにも愚かしく感じられて他人に話したくなかったですし、ずっと考えるのさえ控えて生きてきました。でも一緒に暮らした家族は分かったようです。

それにしてもリーさんが著してくださったことに助けられて、自分の母をもう一度考え直してみました。感情を超えようとしてです。それに自分もある意味では母と似た者同質に陥りやすいことだと感じていたからです。

特に「第4章真っ当に生きることは、かくも難しい」の116~117ページはこうした困難に対しての日本のケアに対する現実的な回答だなって感じたことでした。いまここから先に解決を望むのは難しいことのようです。しかし、リーさんがご自分を維持され最後まで後始末されたことに感心いたしました。お母さんに関わられた周囲へ心づかい、中々ここまでできないです。身をもってご自分が味わわれたものを基に次のステップとして介護に関する仕事に踏み出されたのにも、自分の様な年寄りには嬉しいことです。